昭和30年発行の外旭川村史によれば天正年間に秋田城之介実季の武将として活躍した八柳平治郎の項に『今の若宮八幡神社は八柳氏の氏神であり、そのご神体は仁徳天皇像で、足の欠けた芦毛馬に乗っている由で、・・・それをはばかって八柳では芦毛馬は飼う事をしないとも伝えられている。』とある。

　菅江真澄が描いた八柳荘の図には、若宮八幡宮を中心に地蔵・白山姫の社が記されており、現在の若宮神社・愛宕神社・白山神社に該当するものであろう。

　羽陰温故誌によれば『地蔵堂　該村ニアリ、村老ノ曰ク、往古皐月ノ頃早乙女ト化ケ家々ニ手伝フ事アリ。村民何方ノ婦女子ナルヲ不知ラ、判然ナラサルヨリ之レヲ怪シ狐狸ノ類ヒナラント、其女ノ片足ヲ斬リタルニ忽然ト消失セ血流レアリ。其跡ヲ尋見ルニ堂内地蔵ノ片足ヨリ鮮血滴タリタリ。今ニ其片足ナシト云。其斬リタル者ノ子孫三代祟タリアリテ足病ヲヤムト。故ニ今ニ至リテ足病ヲ煩フ者ハ祈願スルニ、該堂ニ納メアル脚半ヲ借リ其足ヲ掛レバ、惣チ全快スト云。サセ取ノ地蔵トテ有名ナリ。』とある。

　愛宕神社は手足の神として、白山神社は歯の神として現在も近隣の信仰をあつめている。