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文政2年夘12月24日福俣十文路某多兵衛在年一日拙出獨沽小屋と言う所に行くに、河水の遍に大石の上に不思議の異像あり得て信じるに、年又或夜母子と共に霊夢の告あり。

是より東に當りて諸木森々山林盛花静寂の霊社あり納むべしと宣之れ全く大頭頼権現という。

後傳に言うに霊木産土の神と信仰せるに五穀豊穣・怨敵退散・悪鳥消除の霊験顕著にして、毎年稲の出穂期に至れば一羽の鷹上空を舞い廻り悪鳥雀を追い払う等、著しき霊験現るゝより雀除権現とも称され、近郷近在の百姓殊の外信仰篤き神なり。

境内には千本杉と称する名木ありしも老木のため自然枯死し、現在は多少の幹根を残すのみ、之れ古老の伝説なり。

先年野火のため焼失し、現今本殿は石の小祠なり。