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神社神道豆知識Travel Tips

参拝作法

手水の作法

手水(てみず)について

一般的に、妊娠五ヶ月目の戌(いぬ)の日を選んで神社で安産の祈願をし、祈祷をうけた岩田帯という木綿の白い布で作られた腹帯を妊婦の腹に巻きます。戌の日を選ぶのは、犬の安産にあやかるためとか、よくほえて邪気を祓うことなどからといわれています。

手水の作法

  • 右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水をくみ、左手に水を注いで洗います。
  • 続いて柄杓を左手に持ち替え、同様に右手を清めます。
  • 再び柄杓を右手に持ち替え、左の手のひらに水をとり、口を注ぎます。※柄杓に直接口はつけないようにしましょう。
  • 最後にもう一度、左手を清めます。

参拝の作法

鈴について

鈴は古くから魔除け・厄除けの神具であり、その清々しい音色で、お参りする方自身の心を祓い清めるとともに、神さまをお招きするという意味があります。

参拝作法「二拝二拍手一拝」

神様にお祈りするときの作法は、

  • 2回深くおじぎします。(人におじぎをするよりも深く。背中が水平になるくらい深くおじぎします。)
  • 肩幅程度に両手を開いて2回拍手します。
  • もう一度おじぎをします。

昔から日本では、神様や尊い人には、二度おじぎをすること2回行う、「両段再拝」という作法や拍手をして拝んでいました。そして明治になり、神社でのお祈りの作法がまとめられ、今の形が一般的になりました。なお、伊勢神宮の神職がおこなう八度拝や出雲大社の四拍手のように、神社によってはおじぎや拍手が多い作法をおこなっているところもあります。

玉串奉奠の作法

玉串(たまぐし)の捧げ方

神社で正式参拝や一般参拝をお願いした場合、一般的に玉串に祈りをこめ、これを捧げて神様にお祈りします。玉串は榊などの小枝を使い、これに紙垂や木綿をつけたものです。捧げ方は、

  • 神職から手渡された玉串を右手で根本を上から持ち、左手で玉串の中程を下から支えてやや左側の先の方を高くして胸の高さに両肘をはって持ちます。
  • そのまま玉串案(ご神前に置かれた玉串を捧げる机)の前まで進み、姿勢を正して一礼します。
  • 玉串を立て、左手を下げて右手にそろえ、玉串にお祈りをこめます。
  • 右手で玉串の中ほどを下から支え、根元を時計回りに一歩前に進んで案に置きます。
  • その後、二拝二拍手一拝の作法でお祈りします。

玉串(たまぐし)の意味

玉串は一般的には榊に紙垂をつけたものです。榊のない地方や、神社によっては榊以外のご神木となる木の小枝が使われます。玉串は神籬と同じく神様をむかえる依代であり、また、祈りをこめるものなので、神と人とを結ぶ大切なお供物といえます。

人生儀礼

安産祈願(着帯祝)(ちゃくたいいわい)

一般的に、妊娠五ヶ月目の戌(いぬ)の日を選んで神社で安産の祈願をし、祈祷をうけた岩田帯という木綿の白い布で作られた腹帯を妊婦の腹に巻きます。戌の日を選ぶのは、犬の安産にあやかるためとか、よくほえて邪気を祓うことなどからといわれています。

お七夜の祝(おしちやのいわい)

生まれてから七日までに名前をつけ、七日目のお七夜には親戚や近所の人を招いてお祝いします。そのとき、神棚に名前を書いた紙(命名書)を貼って、神様に家族の一員としてお守りしていただき、無事成長するよう、お祈りします。

お食初め

生後百日目、地方によっては百十日目か百二十日目に、一生食べるものに困らないようにと祈る行事で、おはしぞめともいわれます。茶わんやおわん、皿など一式のお膳で赤飯に尾頭つきの鯛などを食べさせるまねをさせる儀式です。なお赤ちゃんに食べさせるまねをする役目は、長寿にあやかるように近親者のなかで長寿の方にお願いするのがよいでしょう。

初宮参り

地域によって違いがありますが、生後三十日前後に自分の住んでいるところの氏神様、鎮守様、産土様をおまつりしている神社にお参りすることです。神様に一人の人間として、また氏子として認めていただくようお参りし、子どもが無事生まれたことを神様に感謝するとともに、健康と長寿をお祈りします。
秋田県の場合は、生後五十日、生後百日前後にお参りする地域もあります。

七五三参り

七五三参りは、男女三歳、男子五歳、女子七歳の時のお祝いで、現在は11月15日前後に行われています。11月15日に行われるようになったのは、江戸時代、徳川綱吉の子の徳松五歳のお祝いが行われたことからとも、暦のうえで吉日に当たるからともいわれています。三歳の男女の時は髪をのばしはじめる「髪置」の祝いで、五歳の男子の時は「袴着」の祝いといって初めて袴をはくこと、また七歳の女子の時は「帯解」といって幼児用の紐を解いて大人と同じ帯をつかうお祝いです。神社に晴れ着を着てお参りし、これまでの無事に感謝し、これからの成長をお祈りします。「七つまでは神の子」といいますが、七歳を過ぎてからようやく一人前の人格をもった人間として、また氏子として扱われるようになると考えられてきたからです。

十三参り

十三参り(じゅうさんまいり)は、数え年13歳の少年少女が元服を迎え大人と成ったことに感謝し、また、福徳や知恵を授かるために神社に参詣する行事です。それで別名、知恵詣り、または、智恵もらいとも言います。

成人式

かつては「元服(げんぷく)」といって公家や武家では、男子が成人になったことを祝い、加冠(かかん)といって初めて冠をつける儀式がありました。現在では二十歳になった男女が、大人として社会に認められ祝福を受けます。自治体で1月の第2月曜日に成人の日として催しが行われますが、神社でも成人祭がおこなわれます。
無事に大人の仲間入りになった喜びを氏神さまにご奉告します。

神前結婚式

結婚式は、新たに家庭を築くことで本人同士はもちろん、互いの家族や社会にとっても重要な出来事であるため、人生の大きな節目の、大切な儀式です。ご神前にて夫婦になることを誓い、新しい生活を送ること奉告し、末永い家庭の幸せと子孫繁栄をお祈りします。 最近では、神前式で結婚式を行う若い人が増えています。

厄年祓い

厄年の年齢は、数え年で、男性が25、42、61歳、女性が19、33、37歳とされ、その前後を前厄、後厄といいます。中でも男性の42歳、女性の33歳は大厄としてとくに慎まなければならない年齢とされています。厄年には人生の節目として、体力や家庭、社会、環境などから災厄にあうおそれが多い時期と考えられ忌み慎まれてきました。そこで、神社にお参りして災厄から身をまもるために厄祓いが行われます。
また、厄年は役年ともいわれ、神にお仕えする一定の役割の年になったという意味もあり、神事に多く関わるようにもなりますので、役年には心身を清め忌み慎む必要がありました。ですから、厄年は災難の多くふりかかる年という印象が強いのですが、人生の通過儀礼として、神様にこれまでの無事を感謝し、今後の成長を祈る大切な年でもあると考えられます。

年祝い

長寿を祝う儀式を「年祝い(算賀)(年寿)」といいます。 数えの六十一歳を還暦といいます。干支は六十年で一巡して初めに戻る、つまり暦がもとに還るのでその由来になっています。 他にも古稀(こき)(七十歳)喜寿(きじゅ)(七十七歳)、傘寿(さんじゅ)(八十歳)米寿(べいじゅ)(八十八歳)、卒寿(そつじゅ)(九十歳)、白寿(はくじゅ)(九十九歳)上寿(じょうじゅ)(百歳)などがあります。これらの年には、無事に人生を送れたことへの感謝と喜びを神さまに奉告します。

神葬祭(しんそうさい)

神道式のご葬儀のことです。亡き人を厳かに送る葬送の儀礼(葬儀)は日本ではその多くが仏式で営まれておりますが、もともと我が国には仏式でない固有の信仰(神道)に基づく葬儀がありました。(現存する最古の書である『古事記』(こじき)には、アメノワカヒコ(かみさま)の葬送についての記述があります)
また、神道では「みたま」を「霊璽(れいじ)」(仏式の位牌に当たるもの)にお遷しいたします。仏式では戒名をいただきますが、神道の場合は親から授かったその人が生きてきた氏名そのものが「おみたま」の名前となる点が大きな違いといえましょう。
神葬祭には古い歴史があり、また参列者の方々にわかりやすい(祝詞には故人の事績を読みます)ということから、昨今意味ある葬儀式として注目を集めております。
秋田県の場合は地域により様々な違いはありますが、主な儀式を紹介しますと、「帰幽報告祭」「納棺祭」「通夜祭」「遷霊祭」「発柩祭」「火葬祭」「前夜祭」「葬場祭」「埋葬祭」「帰家祭」などがあります。地域によりましては神楽を奉奏する地域もあります。

忌中について

わかりやすい忌服

古くから私たち日本人は、家族や親族に「弔事」が起きた場合、その心の痛みを拭い去り、不幸を乗越える節目として、ある一定の期間をもうけて喪に服し慎む慣習があります。これを「忌服」(きぶく)や「服忌」(ぶっき)と表現し、主に家庭や地域における神事やハレの行事への参加を控えてまいりました。
地方により差異はございますが、歴史的な習慣や伝統、また現代生活の現状を検討し、神社本庁では下記のようにまとめております。

忌中と喪中について

忌中

古くからわが国では≪死≫を畏(おそ)れ、≪ケガレ≫(気枯れ)として遠ざけてきました。「忌中」とは故人の死を悼み、御霊(みたま)を鎮める≪慎むべき期間≫をいいます。また「忌明け」とは忌みの期間を終えたことをいいます。

神事や結婚式・式典などの公の場や行事への出席、また派手な行いを控えます。 (祝い事やお宮参りなどの神事は忌明け後に延期します)

(忌服期間の目安)

親・配偶者 50日
兄弟姉妹・子供 20日
祖父母 30日
おじ・おば 20日
10日
いとこ・甥・姪 3日

喪中

本来悲しみを表す喪服を着ている状態を言い、忌明けの後、身を慎みながらも、悲しみを乗越えて平常心に立ち返ろうとする期間となります。

忌明け直後の派手な宴席は控えますが、生活は普段通りに行って結構です。
また神事や正月行事、年賀状なども通常通り行い、故人を神さま・ご先祖さまとして敬いの気持ちを持ってお参りいたします。

(忌中の場合の)お札・神棚・神事について

お葬式を出された家(ご家族が亡くなられた場合)

神棚・お札

忌中の間は神棚の正面に白紙を貼り、拝礼を控えます。忌明け後は白紙を外し、平常通り拝礼を行います。忌中期間に新年を迎えた場合は、忌明け後古いお札を納め新しいお札をおまつりします。

神事

前年にご家族が亡くなられた場合でも、忌期間が過ぎていれば初詣・春祈祷などの神事は通常通り行います。(忌中にお正月を迎えた場合は、忌明け後家族そろって神社にお参りしましょう)

親戚にご不幸があった場合

神棚・お札

別居している親族にご不幸があった場合、自分自身は≪喪≫に入りますが、家そのものは忌中にはなりません。神棚は家の祭祀ですから平常と同じく神棚・お札をおまつりします。
お正月のしめ飾り等も、ごく近親の方の場合を除いていつも通り行います。

神事

(ご家族の場合)に準じて考えます。ただし、近親者(別居する親兄弟、子供、祖父母、孫)以外の場合は平常通り神事を行います。

忌明け神事(お伊勢まいり)

身内のご不幸から50日を過ぎ、中断していた神棚のお祀りを再開するにあたって受けるお祓いです。 忌の期間は亡くなった方との続柄によって定められた期間があり異なりますが、一般的には、50日で忌明けをします。その際に家中を清祓いして平常の生活に戻ることができます。忌明け祭を五十日祭とすることも多く、翌日からが忌明けとなります。以後は、神社参拝も神棚拝礼も平常通り行っても大丈夫です。

建築儀礼

建築儀礼について

地鎮祭(じちんさい)

地鎮祭は「とこしずめのまつり」や「じまつり」などいろいろな呼び方がありますが、家などを建てるときに国土をお守りする大地主神とその土地の産土大神をお祭りして土地を譲り受け、その土地と建物の安全をお祈りします。お祈りする土地の中央に葉のついた斎竹を四方に立て、注連縄を張り廻らせます。さらにその中央に神様の依り代を立て、神饌を供えてお祭りをします。お祭りでは鍬入れ儀として苅初(かりぞめ)や穿初(うがちぞめ)、地鎮の儀として鎮物を埋納する儀式も行われます。

上棟祭(じょうとうさい)

上棟祭は、上棟式(じょうとうしき) 棟上(むねあげ) 建方(たてかた) 建前(たてまえ)などと呼ばれ、親しまれているお祭です。上棟祭では家の神様、工匠(建築業)の神様と、その地域の神様である産土大神(うぶすなのおおかみ)に、これまでの順調な工事進行への感謝と、これから以後も安全で立派な物が建てられ無事完成することをお祈りいたします。 各地域、場所によっても祭事が様々で、たとえば、屋根に五色「青黄赤白黒(紫)」の布を立てるところ、家の四隅に餅を供えるところ、主人の年の数の餅を撒くところもあります。地鎮祭とともに必ず行う大切なお祭りです。

新宅祭(しんたくさい)・竣工祭(しゅんこうさい)

地鎮祭に始まり、上棟祭など一連の建築に関するお祭りの最後に「竣工祭・新宅祭」があります。新しい神棚を設け、国全体の守り神、天照大神様と地域の守り神の大神様をお祀りし、神様のお陰で無事事故もなく新居が出来上がった事をご奉告し感謝すると共に、これからのご加護を新しい神棚の前などでお祈りします。

開店清祓・事務所開き

お店、事務所を新しく設ける際に、会社の繁栄と商売繁盛、作業安全を祈願するお祭りです。

井戸埋め清祓

今まで使っていた井戸を埋めるときに、井戸の神様や氏神様にこれまでの感謝の気持ちを伝え、その工事が安全に取り行えるように祈願するお祭りです。

樹木伐採清祓

ご家庭や会社の敷地にある樹木を、伐採しなければならないときに、土地の神様にその旨を告げ、工事の安全を祈願するお祭りです。

解体清祓

今まで使っていた建物に感謝の気持ちを伝え、取り壊す際に工事の安全を祈願するお祭りです。

神社の祭典

例祭(れいさい)

神社のお祭りの中で重要なもので、例大祭とも言います。
期日は各神社別の由緒慣例に基づいており、一様ではありませんが、祭神に縁故ある日や、鎮座に関係ある日等が例祭日となっています。

祈年祭(きねんさい)

2月17日に行われる神社で最も重大なお祭りの一つで、「としごいのまつり」ともいわれます。「とし」は稲の稔りの意で古来、年の始めにあたって穀物の豊饒を祈るとともに、国の安泰を祈るお祭りです。
※神社によって祭典日は異なります。

新嘗祭(にいなめさい)

11月23日に新穀を神さまにお供えして、神恩に感謝するお祭りです。祈年祭とともに特に大切な祭りとされています。
※神社によって祭典日は異なります

月次祭(つきなみさい)

月ごとに1日・15日や神社の御縁日に行われるお祭りです。
伊勢の神宮では6月と12月に行われ重要なお祭りとされています。

歳旦祭(さいたんさい)

1月1日に行なわれる祭りで、年の始め、月の始め、日の始めという意味がある。1年の始めに皇室、氏子、崇敬者の安泰をお祈りするお祭りです。

紀元祭(きげんさい)

2月11日の建国記念の日、明治5年、神武天皇即位の日、『日本書紀』の「辛酉(かのととり)の年春正月庚辰朔、天皇橿原宮に即帝位」とあるのを根拠にして太陽暦に読み替え、この日を紀元節として祝祭日に制定されたのに始まります。全国の神社では日本の国の誕生日としてお祭りを行っています。

大祓式(おおはらいしき)

6月末日と大晦日に行われる行事で6月の大祓は夏越の祓え12月の大祓を師走の祓えといわれ、半年間にわたって身についた罪や汚れをお祓いする行事です。